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はじめまして!
当「合鍵物語」は、合鍵にまつわるたくさんの特別な思い出を集めたサイトです。
両親共働きで鍵っ子だった思い出、彼から初めてもらった鍵、などなど!とっておきのエピソードがいっぱい。
合鍵は複製できても、思い出は複製できないのです。ぜひ一話ずつ大切に読んでいってくださいね。

おじいちゃんの合鍵

ご訪問ありがとうございます。
今日も合鍵話で更新です。

これは、僕が小学生時代の友達から聞いていたエピソード。
この前久々に会って、このブログのことを話したら、「実は」と言って話を聞かせてくれたので、投稿。
俺の友達がこんなに良いエピソードを持っていたとは(笑)。
人間、思わぬ面が見えることもあるものです。

Y.Nくん、話を聞かせてくれてありがとう。
俺も会ったことがあるけど、素敵なおじいちゃんだよな。

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僕のおじいちゃんは鍵屋である。
本当は自転車屋も経営していたのだが、「年をとってきて、そろそろ体がきつくなった」という理由で息子夫婦(僕の叔父)に店を譲った。
今は、自転車屋の一角にある鍵屋で、のんびりと合鍵を作って生活している。

鍵屋といっても、しょっちゅう「合鍵を作ってほしい」というお客さんが来るわけじゃない。
それも、近所のショッピングモールに大きな鍵屋が入っているので、ほとんどの人はそこで合鍵を作っているらしい。
「商売あがったりだ」
とおじいちゃんは言っていたが、店が暇ならそれだけおじいちゃんは僕と遊んでくれるし、僕は「暇でもいいや」と思っていた。

僕の両親は共働きで、家に帰ってくるのは夜遅く。
二人とも会社が忙しくて、僕はたまにおじいちゃんの家にとまることもあった。
だから、僕は学校が終わったらおじいちゃんの家に行っておやつを食べ、宿題を済ませ、遊ぶ。
おじいちゃんもおばあちゃんも僕にはとっても甘いので、僕はおじいちゃんとおばあちゃんの子供になってもいいやと思うこともあった(両親が嫌いなわけじゃないけどね)。

そんな僕のポケットには、おじいちゃんが作ってくれた合鍵が二つ入っている。
ひとつは、僕の家の合鍵。
もうひとつは、おじいちゃんの家の合鍵。
ふたつとも僕の宝物だ。
子供にしては渋い柄で作ってある合鍵だけど、この合鍵はおじいちゃんの店で一番高い合鍵で、「立派な合鍵作ってやっからな」と言って作ってもらったものだ。
お父さんは「何も、こんな渋い柄で作らなくても・・・」とあきれていたが、僕はこの渋さが気に入っている。
それをおじいちゃんに言ったら、
「お前、わかってるな」
と笑ってくれた。

僕のおじいちゃんが鍵屋だということをみんな知っているので、僕の友達もおじいちゃんの家に鍵を作りにくる。
そうするとおじいちゃんはブルーとかグリーンとか、綺麗な色の鍵で合鍵を作ってくれた。
値段も安くしてくれて、お菓子までくれるので、僕のおじいちゃんはみんなの人気者。
僕はそれがとっても誇らしかった、
そして、僕の友達には「僕と同じ渋い柄の合鍵」を決して作らないことも嬉しかった。
あれは僕だけの特別な鍵なのだ。

毎日の様におじいちゃんの家にいる僕は、いつもおじいちゃんが鍵を作っている姿を近くで見ている。
といっても、そんなにお客さんがくるわけではないけれど、お客さんがくるとおじいちゃんは真剣な顔で鍵を作る。
僕は、その顔を見るのが大好きなのだ。
真剣な顔のおじいちゃんはいつもと違う顔で、なんだかとても格好いい。
おじいちゃんには決して言わないけれど、僕は大人になったらおじいちゃんの様な人間になりたいって思うのだ。

学校が終わり、今日も僕は帰りにおじいちゃんの家による。
今日はおばあちゃんが大福を買ってきてくれると言っていたので、嬉しい。
宿題を終わらせたら、今日もおじいちゃんとたくさん遊んでもらおう。
今日は何をして遊んでもらおう、と考えると、とてもワクワクする。

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